Excelで動くオプション取引の統合ツール(TopT_01)の使い方 その2(機能マニュアル)

1.ツールの概要

日経225オプション取引をする際にあると嬉しい機能を集めた統合ツールです
EXCEL2016で作った、マクロ有効ワークシートです
楽天RSSが稼働していることが大前提です

★主な機能
・オプションの各銘柄を結んだIV曲線(スマイルカーブ)の描画
・オプションと先物のポジションの登録、および損益前日比やリスク指標計算
・上記で入力したポジションあるいは仮想ポジションの、損益シミュレーション機能(損益曲線の描画)や、SPAN証拠金の近似計算


機能について、もう少し詳しし概要説明はは下記リンクをご覧ください
Excelで動くオプション取引の統合ツール(TopT_01)の概要

ツールの設定の仕方については下記リンクをご覧ください
Excelで動くオプション取引の統合ツール(TopT_01)の使い方 その1(設定マニュアル)

2.使い方の概要

★このツールを利用するにあたり必要な設定は、別途まとめています
・利用開始時、およびSQ前日に実施すること
・権利行使価格の追加などがあった際に実施すること
・毎日大引け後に実施すること
・ツールのダウンロード元
下記リンクをご覧ください
Excelで動くオプション取引の統合ツール(TopT_01)の使い方 その1(設定マニュアル)

★シート「IV曲線」の使い方
・IV曲線(スマイル・カーブ)の描画する機能があります
・グラフの自動取得(リアルタイムでピコピコ動く)、手動取得の切り替えができます
・グラフの縦軸、横軸を調整します
※具体的な説明は、3.シート「IV曲線」の使い方をご覧ください

★シート「ポジ設定」の使い方
・先物とオプションを分けて入力します
・損益の前日比および通算損益を算出します
・ポジションのリスク指標を算出します(限月別の明細あり)
・証拠金の近似計算のボタンがあります (このシートに登録しているポジの証拠金近似計算です))
※具体的な説明は、4.シート「ポジ管理」の使い方をご覧ください

★シート「ポジ分析」の使い方
・まず、分析対象のデータを取得します(リアルタイム、前日終値、その他任意の過去の終値)
・分析するポジションを入力します(「ポジ設定」シートに登録したものは自動取得できます。仮想ポジの登録もできます)
・証拠金近似計算をする場合
 ・事前にプライススキャンレンジ等を登録します
 ・ボタン一発で証拠金近似計算ができます(上記で入力した分析対象データ、ポジに対して計算します)
・ポジション分析(日経平均の上下やIVの上下などをパラメータにして損益を分析)する場合
 ・経過日数を指定します
 ・分析表の横軸のタイプを設定します
 ・横軸(権利行使価格の変動幅)を設定します
 ・縦軸(IVの変動幅)を設定します
 ・IVについては、権利行使価格毎に微調整ができます(中盛りとかスライドなども設定可能)
 ・グラフの縦軸、横軸を調整します
 
※具体的な説明は、5.シート「ポジ分析」の使い方をご覧ください

3.シート「IV曲線」の使い方

★機能の説明
・IV曲線(スマイル・カーブ)の描画する機能です
・表示される限月は 3つの限月 × 3つのタイミング(リアルタイム、前日終値、前々日終値)です
・先物の値(設定シートで設定した値、項目名「グラフ設定用先物」)も3つのタイミングのものが表示されます
※グラフの表示順がちょっとわかりずらいのですが、限月の順番ではなく、「テーブル_OPA」「テーブル_OPB」「テーブル_OPC」となります

★使い方
下の図を参照しながらご覧ください

0.はじめに
・このツールは、背景黄色のセルが入力項目です
・このツールは、上記の入力項目にデータを入れて、ボタン押下することにより、ほとんどの機能を稼働できます
・このシートは、上記2種類の操作のみで利用できます

1.「全範囲を表示」のボタン
・背景黄色のセル「グラフの権利行使価格の最小値」を入力します
・「全範囲を表示」ボタンで、全体のグラフが表示されます
※横軸の最大値、縦軸の最大値、最小値は自動計算します

2.「ATM付近を表示」のボタン
・「ATM付近を表示」ボタンで、全体のグラフが表示されます
※横軸、縦軸は自動計算します 、ATM付近を中心に権利行使価格2500円程度の幅を表示します

3.「任意範囲を表示」のボタン
・背景黄色の4つのセル「任意設定_横軸最小値」など、を入力します
・「任意範囲をを表示」ボタンで、任意の範囲のグラフが表示されます

4.「自動更新」「手動更新」のボタン
・「自動更新」ボタンで、リアルタイムのIV曲線を取得します、グラフがピコピコ動きます
・「手動取得」ボタンで、ボタン押下時のIV曲線を取得します
※いずれの場合も、取得時間がボタンの下に表示されます
※手動取得機能は、パソコンの負荷削減の為につくりました。しかし私のPCではその削減効果は少なかったです。
※手動取得の例えばの利用場面です。大引け後など板から注文がなくなるとグラフがギザギザになるのですが、手動取得にしておけば、取得した時の状態のままになります。分析したり、ブログに貼りつけたりするときに使えます。

4.シート「ポジ管理」の使い方

★機能の説明
・先物とオプションのポジションを登録します
・先物とオプションは分けて登録します、また、新規建入力と決済入力は行を分けて登録します
・損益の前日比および通算損益を算出します
・ポジションのリスク指標を算出します(限月別の明細あり)
・証拠金の近似計算のボタンがあります (このシートに登録しているポジの証拠金近似計算です)

★使い方
下の図を参照しながらご覧ください

0.はじめに
・このツールは、背景黄色のセルが入力項目です
・このツールは、上記の入力項目にデータを入れて、ボタン押下することにより、ほとんどの機能を稼働できます
・このシートは、上記2種類の操作に加えて、 (エクセル機能の)行の挿入や削除を行います。並び替えも利用可能です

1.先物とオプションのポジションの登録エリア
・先物とオプションの入力は、別のエリアで行います
・画面を上段、中段、下段と3分割した時に、中段が「先物ポジション入力エリア」、下段が「OPポジション入力エリア」です

・ポジションは、緑色の行「ここより下は入力エリア」と「ここより上は入力エリア」に挟まれたエリアで行います
・このエリア内では、行の追加、行の削除、行全体を別の行にコピー、複数行を選択してのデータの並び替え、を自由に行うことができます
※並べ替えを行う際は複数行を選択して行ってください。中途半端な範囲を指定して並び替えを行ってしまうと変になることがあります
・行の追加を行う際は、 緑色の行「ここより上は入力エリア」と「 この上のデータは、コピー元としてご利用ください」に挟まれた行をコピー元として利用してください

・ポジションの登録を行う際は、新規建入力で1行、決済入力で1行使います

2.先物のポジションの登録
・「銘柄名」をプルダウンで選択します。選択できる銘柄名はミニ先物だけです。ラージの場合は対応するミニ先のを選択してください
・「取引日」は証券会社でいうところの取引日です。日中取引(15:15まで)は当日、夜間取引(16:30以降)は翌営業日を入れます
※この項目を利用して当日売買したものかどうかの判断をしています
・「数量」は、先物ラージ1枚買いが1です。売りなら-1。ミニ先1枚は0.1としてカウントします
・「売買価格」は、小数点入力を可能としています。複数枚が別々の約定価格の時に1枚あたりの単価を入力できます
・「メモ1」、「メモ2」は、自由入力項目です。例えば、 新規/決済の別や、戦略別にグループ分け記号を入れるなどの使い方が考えられます。

3.オプションのポジション登録
・「限月」をプルダウンで選択します
・「P/C」(プットかコールか)をプルダウンで選択します
・「権利行使価格」を手入力します
※上記3項目を選ぶと「銘柄名」が決まります
・「取引日」「数量」「売買価格」「メモ1」「メモ2」は、先物に準じます


4.損益前日比や、リスク指標
・ 画面を上段、中段、下段と3分割した時の上段に表があります
・損益は「損益前日比」と「通算損益」の2種類があり、先物だけの合計、OPだけの合計、総合計が計算されます
・リスク指標は、先物とOPに分け、更にそれぞれに対して限月別の明細と総合計が計算されます
・上段の左側の背景青色の部分に、損益前日比やリスク指標をまとめて表示しました

5.「リアルタイム証拠金取得」ボタン
・ 画面を上段、中段、下段と3分割した時の上段左側にこのボタンがあります
・このボタンにより、このポジション表に登録しているポジの証拠金近似計算ができます。現時点が大引けだと仮定した時、その証拠金の近似計算をすることになります
・計算結果は、背景茶色の部分に表示されます
※この機能を使うにあたり、「ポジ分析」シートの権利証拠金計算用パラメータの設定と、「権利行使価格の開始を指定」の設定を正しく行う必要があります

6.月次で行うこと
・SQのタイミングでツールの設定変更 (古い限月を廃止し新しい限月を登録) を行いますが、このシート上の古い限月は残ったままになります
・このタイミングで古い限月を削除するなど、整理を行いましょう
・通算損益のスタートをこのタイミングに変更するといいと思います(取引日をSQ前日に変更、売買価格をSQ前日終値に変更)

5.シート「ポジ分析」の使い方

★機能の説明(概要)
・分析対象のデータを取得します(リアルタイム、前日終値、その他任意の過去の終値)
・分析するポジションを入力します(「ポジ設定」シートに登録したものは自動取得できます。仮想ポジの登録もできます)
・証拠金近似計算をする場合
 ・事前にプライススキャンレンジ等を登録します
 ・ボタン一発で証拠金近似計算ができます(上記で入力した分析対象データ、ポジに対して計算します)
・ポジション分析(日経平均の上下やIVの上下などをパラメータにして損益を分析)する場合
 ・経過日数を指定します
 ・分析表の横軸のタイプを設定します
 ・横軸(権利行使価格の変動幅)を設定します
 ・縦軸(IVの変動幅)を設定します
 ・IVについては、権利行使価格毎に微調整ができます(まん中盛りとかスライドなども設定可能)
 ・グラフの縦軸、横軸を調整します

★シートの構成概略
巨大なシートです。まず、全体像を説明します。 下の図を参照しながらご覧ください
・エリア1:分析対象のデータを取得します、またポジションを入力します
・エリア2:証拠金近似計算のためのエリアです。計算はエリア1とエリア2の操作だけで可能です
・エリア3:ポジション分析(損益分析)の結果表です。証拠金近似計算の計算過程でも利用します
・エリア4:ポジション分析の 出発点を設定します。分析対象データ(元データ)の残存日数やIVを変更します
・エリア5:上記出発点から損益分析をする際の、日経平均変動幅やIV変動幅を指定します。2つのタイプで計算できます。ここで指定したものの計算結果がエリア3に表示されます
・エリア6:損益分析のグラフです。エリア3の表をグラフ化したものです
・エリア7:エリア4で指定したのIV変更が反映されるエリアです。OP銘柄毎に個別設定可能です。本体とは離れた場所にあります(AG列、165行あたり)


★使い方
上の図(シートの構成の概略、エリア1~エリア7)や適宜挿入される図を参照しながらご覧ください

0.はじめに
・このツールは、背景黄色のセルが入力項目です
・このツールは、上記の入力項目にデータを入れて、ボタン押下することにより、ほとんどの機能を稼働できます
・このシートは、上記2種類の操作のみで利用できます

1.使い方の概要
・最初にエリア1の部分で、分析対象データを取得しポジションの入力をします(リアルポジの分析なら自動取得できます)
・証拠金近似計算をする場合は、エリア2にプライススキャンレンジなどを登録しておき、「証拠金近似計算」のボタンを実行します
・ポジション分析(損益分析)をする場合は、エリア4で残存日数とIVを変更し、分析相場セットをつくります(変更なしならば、エリア1のデータそのものに対しての分析になります)。グラフの横軸のタイプを選択して、グラフの目盛を設定すれば、エリア3の損益分析結果表が作成され、それをもとにエリア6の損益分析グラフが描画されます

2. エリア1の分析対象のデータの取得およびポジション入力
下の図を参照しながらご覧ください

・まず、左上の背景黄色のセル「日次ログの列番号指定」に対象データを指定ます
→リアルタイミングなら「1」を、前日終値なら「5」を指定します
→例えば、日中取引時間に「1」を指定して証拠金近似計算をすれば、本日終値時点の証拠金が予想できます
→例えば、大引け後&日次締処理後に 「5」を指定して証拠金近似計算をすれば 、本日終値時点の証拠金と大体一致しています
※過去履歴を使ってのポジション分析がもできます。シート「日次ログ」に過去履歴があります。1行目に列番号があるのでその番号を指定すればOKです。指定するべき列番号には薄い水色の背景色をつけています。具体的な列番号は、1,5,8,11,14,17,20・・・となります

・次に、上部真ん中の背景黄色のセル「権利行使価格の開始を指定」に、値を入れます
※全く使わないFOTMの銘柄がずらりと並んで表が巨大化し使い難くなることを避けるために設定項目としました
※これより小さい権利行使価格は分析対象外になるので、リアルポジションが存在する場合、結果が変になるので注意が必要です

・「解析対象データ取得」ボタンで、解析対象データの情報(IVなど)やリアルポジションの情報を取得し、これが初期設定となります
→リアルポジを解析する場合は、このエリアの作業は終了です

・仮想ポジの解析をする場合は、初期設定されたリアルポジを変更します。
→初期設定で背景黄色のセルが変更可能です、数値を入れると背景色や文字色が変わり見やすくなります。もちろん背景色が黄色でなくなっても有効な入力エリアです
→背景色がグレーのところに数値を入れても無視されます
→背景色が黄色のセルに文字が入ると、警告で色が変更になります

・「ポジ表再設定」ボタンを使えば、リアルポジションが再度初期設定されます

3.証拠金近似計算の使用上の注意
・この証拠金近似計算は、SPAN®の計算方法を私なりに解釈、オプションの清算価格や原資産価格やIVなどはこのツールで計算したものを元データとして行うものです。証券会社から提示される実際のものとは一致しないことをご了承ください
(ご自分のポジションで、証券会社から提示されるものとどの程度ずれているかを日々把握していれば、大暴落などで証拠金が大きく変動する時に慌てなくて済みます)

・また、証拠金計算方法は証券会社によって様々ですが、
 証拠金 =  (SPAN証拠金額 × 証拠金掛目 )-ネット・オプション価値の総額
の方式で計算される場合に、この近似計算は有効です
但し、いわゆる偽スパンには対応していませんのでご注意ください

4.証拠金近似計算の使い方
・証拠金近似計算はエリア1のデータに対して行われます。 「日次ログの列番号指定」 と 「権利行使価格の開始を指定」 、ポジション表を設定します
・証拠金計算をするにあたっては、SPANパラメータが必要です。エリア2の背景黄色のセル、「プライス・スキャンレンジ(円)」、「ボラティリティ・スキャンレンジ(%)」、「1ネットデルタ当たりの商品内スプレッド割増額(円)」、「売オプション1単位あたりの最低証拠金額(円)」を設定してください。
※スパンパラメータの取得元リンク
 ・日本証券クリアリング機構 のトップページの右下
 ・あるいは こちら に過去履歴も含めてあります
 EXCELファイルには、いろんな商品のスパンパラメータが混載されていますが、利用するのは。コード「0018」商品グループ名「日経225」の行です

・また証券会社固有の掛目を設定してください。 エリア2の背景黄色のセル、 「証券会社が設定する掛目」です。掛目は相場変動で変わることなどがありますので、証券会社のHPなどでご確認ください

・ボタン「証拠金近似計算」で計算できます。計算結果は背景薄茶色のセル「SPAN証拠金額」と「証拠金=・・・」のセルです。
※ボタンを利用することで、エリア4の「残存期間調整」「IV調整の有無」、エリア5の「縦軸横軸設定」が強制的に証拠金計算用に再設定されます

ここから話がややこしくなります。一旦CM。

5.ポジション分析(損益分析)の機能詳細
普通に使う分には簡単です。
例えば、現在のポジションで、日経平均が変動したら損益はどうなるか、IVが変動したら損益はどうなるか、を計算をするだけなら日経平均変動幅とIV変動幅を指定するだけです。

さらに複雑な分析に対応可能な機能としたために、使い方が分かりにくくなっています。まず、どういう分析を行えるのかを説明します。
下の図(エリア3~エリア6の拡大図)を参照しながらご覧ください(話がどんどんややこしくなっていきます)

★分析相場セットと現時点相場セット
・まず、損益分析をするオプションの銘柄(限月+権利行使価格)とそれに対するIVを定義します。また、残存期間を定義します。これを「分析相場セット」と言うことにします。
(ちょっとややこしい操作が必要ですが、分析相場セットは自由に設定できます。エリア4とエリア7で設定します)

・この分析相場セットに対して、相場を操作(原資産の上下、IVの一律上下)した時の損益を計算するのが、このポジション分析機能です。

・分析相場セットに対して、エリア1で取得したオプションの銘柄とそれに対するIVや残存期間を、「現時点相場セット」と言うことにします

★分析の中心点と現時点
ここで、エリア3のポジション分析表を見てみます
・現時点相場セットに対して何も操作しない状況を「現時点」と言うことにします。現時点の損益は±0です。
 この「現時点」は、下の図の表で、「現時点(調整前)」の 行と 、「原資産増減」が「0」の列の交点にあたります。 下の図では「0」と表示されています 。

・対して、分析相場セットに対して何も操作しない(原資産の上下をしない、IVの一律上下をしない)状況の損益を表す点を「分析の中心点」と言うことにします。分析の中心点は、エリア3のポジション分析表の「IV増減無」の行と、「原資産増減」が「0」の列の交点です。下の図の表では「-4」と表示されています

・この「-4」は、現時点に対する損益です。

・損益分析は、この分析の中心点から、原資産を変動させたら損益がどう変化するのか、IVを一律増減させたら損益はどう変化するのかを行ったものです。但し、その損益は分析の中心点ではなく、現時点に対しての損益になります。

★分析の中心点と現時点の違い
分析の中心点とはどういうデータで、現時点との違いが何かを、再度説明します
・残存期間:現時点はエリア1のデータそのものです。分析の中心点は、残存期間を調整した結果です。巷のオプションシミューレータには、残存期間をn日減らしたときに損益がどうなるかを見る機能がついているものがあると思います。同様に、このポジション分析機能で残存期間を調整すると、n日後の損益をシミュレーションすることができます。

・オプション銘柄毎のIV:現時点は エリア1のデータそのものです 。分析の中心点は、オプション銘柄毎にIVの指定をしたものです。一般的な巷のオプションシミュレータの場合、オプションのそれぞれの銘柄のIVが一律に5%上昇したら、とかの一律計算しかできません。このポジション分析機能では、それぞれのオプション銘柄のIVを個別に変更することができるようにしています。また、値の調整だけでなく式を使った調整を可能にしているので、いろんなIV変動(スマイルの変動)に対応可能です。例えば一般的な言葉かどうか不明ですが、等盛り、真ん中盛り、FOTMプット爆盛り、スマイルのスライドなどについても、近似式を使ってシミュレーションすることを可能にしています。

★ポジション分析の結果表
・エリア3のポジション分析の結果表(損益分析の結果表)について
→この表のメインは、上記でも説明しましたが、分析の中心点のデータを原資産上下やIV上下した時の損益です
→行「現時点(調整前)」は、分析の中心点ではなく現時点のデータを、原資産上下した時の損益です(残存期間調整なし、銘柄別IV調整なしの損益)
→行「満期」は、満期(つまり残存期間0)時点の、原資産上下した時の損益です

★損益曲線
・エリア6の損益曲線は、エリア3の表をそのままグラフにしたものです

5.ポジション分析(損益分析)の使い方、その1
まず、話が簡単な場合の使い方です
分析相場セット=現時点相場セット(つまり、エリア1のデータを分析する場合) です
あるいは、現時点相場セットの数日後の損益を分析する場合です

エリア4で
・背景黄色のセル「残存期間調整」に、日数を入れます。現時点なら「0」を入れます。あるいは、日数を入力します。
・IV調整有無の欄を、ボタン「IV調整エリアをクリア」を使って、「クリア済」にします。(IV調整エリアにデータ入力がある場合は「調整有」と表示されています)
・背景黄色のセル「一律IV調整の値/式」は、データが入っていてなくてもいいです。無視します。

エリア5で、横軸のタイプを選びます。ボタン押下でタイプが切り替わります。タイプは2種類あり、それぞれの設定の仕方が少し違います
★「横軸設定 権利行使価格の幅タイプ」ボタンを押下した場合
・背景黄色のセル「価格目盛幅」「IV目盛り幅」を設定します
※価格目盛幅は、権利行使価格の幅、125円、250円、500円設定がお勧めです。125円に設定し、更に分析対象のオプションの限月と「設定」シートのグラフ表示用先物の限月が一致する場合、満期の損益曲線を正確に描くことができます。
※ボタンを押下することで、エリア3の表の見出しの背景色がかわります。上の図はこのタイプの場合です。

★ 「横軸設定 証拠金計算タイプ」ボタンを押下した場合
・背景黄色のセル「プライススキャンレンジ相当」「ボラティリティスキャンレンジ相当」を設定します
※ボタンを押下することで、エリア3の表の見出しの背景色がかわります。下の図はこのタイプの場合です。
※エリア2の「証拠金近似計算ボタン」を利用した場合、強制的に設定されます

ここまでの操作で、エリア3の損益分析表が完成です。

エリア6の損益図の描画範囲を必要に応じて調整します
・「分析の全範囲を表示」ボタンで、全範囲が表示されます
・「ATM付近を表示」ボタンで、ATM付近が表示されます
・背景黄色のセルの値を入力後、「任意範囲を表示」ボタンで、任意範囲が表示されます

5.ポジション分析(損益分析)の使い方、その2
分析相場セットを自由に定義する場合の使い方です。
ここでは、オプション銘柄毎のIVの設定について説明します。
ここで説明する以外の使い方は、その1での説明と同じです。

・銘柄毎のIVの設定は、エリア7の背景黄色のセル「IV手動調整」を変更することで行います

・現時点相場セットのIVの値は、左隣の「IV原点」です
・分析相場セットのIVの値は、右隣りの「調整後IV」です
・「IV原点」 + 「IV手動調整」 = 「調整後IV」となっています

・「調整後IV」が「0」あるいは 空欄 なら、 「IV原点」 = 「調整後IV」です
 エリア4のボタン IV調整エリアをクリア」 は、「IV手動調整」の値」をすべてクリアしています

この「IV手動調整」に値を入れることにより自由に分析相場セットをデザインできます。
また、上手く使えば、そのデザインを楽に行うことも可能です。

・例えば「等盛り」。全銘柄にわたって、IV5%だけ増やしたい場合、すべての銘柄の「IV手動調整」の値を「5%」とします

・例えば「まん中盛り」。全銘柄にわたって 「IV手動調整」 に式を入力します。こんな感じ「= 0.1-[隣のセルの値]*0.2 」
※式を補足すると、原点IVに、一律に10%IVを上乗せした後、原点IV×0.2をマイナスする。IVの低い真ん中ほど上乗せ幅が大きくなる。

・例えば「スライド」 。全銘柄にわたって 「IV手動調整」 に式を入力します。こんな感じ「= -[隣のセルの値] + 「隣のセルのひとつ下のセルの値」
※この式を入れることで、「IV原点」から1行ずつずれた値が「調整後IV」に入ります。つまりスライド

厳密なまん中盛りやスライドを式を使ってデザインするのはなかなか困難ですが、考え方としてはありだと思います。

ここまでの説明は、個別に設定していく方法を説明しました。
一律の値や式を入力する場合は、エリア7を使わずエリア4だけで対応できます
・エリア4の背景黄色のセル「一律IV調整の値/式」に、値または式を入れて 、ボタン「一律IV調整」を使えば、自動的にエリア7の「IV手動調整」にデータが入ります
・式を入れた場合、どういう式がはいっているかわかりにくいので、その下の項目「入力式を表示」に入れた内容をそのまま表示しています。
・ボタン「IV調整エリアをクリア」で、「IV手動調整」の値がクリアされます

機能に関する説明は、以上ですべて終了です

「Excelで動くオプション取引の統合ツール(TopT_01)の使い方 その2(機能マニュアル)」への2件のフィードバック

  1. ことぶき

    てつやさん
    ことぶきです。
    ご無沙汰しております。

    素晴らしいツールを公開いただき、ありがとうございます。
    初めてivolatを手にした時のワクワク感を思い出しました^^

    ポジ管理シートのオプポジション入力エリアで1点質問があります。
    シートに2期先(今日の時点だと4月限)を入力したいのですが、
    プルダウンで2004を選択した際、対応テーブルがC(3月限)
    となってしまい、3月限が表示されてしまいます。
    ダウンロードしたファイルの場合、おそらく本来は対応テーブルA
    になると思われます。
    色々探したのですが、エクセルに疎いので修正できませんでした。

    お手数ですが、修正箇所を教えていただければ幸いです。

    マニュアルも熟読せずに、とりあえず使っておりますので、
    もしマニュアルに記載済みでしたらご指摘ください。

    いろいろ触って、オプションの面白さを再確認したいなぁと考えています。

    よろしくお願いいたします。

    1. 管理人T

      ことぶきさん、ご無沙汰しています
      ご指摘ありがとうございます
      重大なバグです
      ちょうど明日はSQ前日でシートは月次処理が必要です
      月次処理をしなおしたもので再リリースしようとおもいます

      ちなみに、間違っていたのは、B列のMATCH関数です
      次の書式なのですが、
      MATCH(検査値, 検査範囲, [照合の型])
      照合の型に「0」を指定するべきところを、指定せずデフォルト値「1」で扱われました

      具体的には、49行目のコピー元エリアで
      誤:=INDEX($B$53:$B$55,MATCH(C49,$C$53:$C$55))
      正:=INDEX($B$53:$B$55,MATCH(C49,$C$53:$C$55,0))
      で、これをポジション入力エリアにコピーすれば対応できます

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