オプション取引とは? 日本一わかりやすい解説 その5 取引に必要な証拠金

オプション取引に必要な証拠金について説明します

ポジションが複雑になってくると、先物オプション口座の証拠金のどの画面をみると損益を算出できるのが混乱してきます(多くの初心者が苦労するところだとおもいます)
ここを読めば、混乱した場合の手助けになるでしょう

やたらと難しそうなオプションの証拠金やSPAN証拠金の制度についても、基礎さえおさえればそんなに難解なものではないでしょう
SPAN証拠金については、初心者にとって日本一わかりやすい概要説明を試みます

オプション取引の証拠金

オプションの証拠金について語りだすと、凄く長くなりそうなので、出来るだけ手短に説明します
詳しくは、「証拠金の話」をご覧ください
ここの説明の際は、手数料を考慮せず進めます
証拠金の扱い方は証券会社によって、いろいろあるのですが、SPAN® に完全準拠の場合で話を勧めます
つまり、(SPAN証拠金額×100%)-ネット・オプション価値の総額 の場合です
ここでは、この算出方法について、理解していただきたいと思っています
まずは、単純な場合の説明から

単純なオプション買いの証拠金、単純なオプション売りの証拠金

オプション買いの場合の証拠金の使われ方と、オプション売りの場合の証拠金の使われ方は違います

オプション買いの場合
オプションプレミアムと同額が、証拠金余力から引かれます
株の取引きと同じだと考えて差し支えないでしょう

オプション売りの場合
銘柄に応じて証拠金額が変わります
銘柄に応じた証拠金( SPAN証拠金額×100% )が、証拠金余力から引かれます
売りで得たプレミムは、 一旦、証拠金余力に加算されるとします
しかし、その売りで得たプレミア分も証拠金余力から引かれます
結果、 銘柄に応じた証拠金( SPAN証拠金額×100% )が証拠金余力からひかれます
※SPAN証拠金額については、後ほど説明します

ここまでを整理すると、
オプション買いの場合:オプションプレミアムが証拠金余力から引かれる
オプション売りの場合: 銘柄に応じた証拠金( SPAN証拠金額×100% )が証拠金余力引かれる


ここまでならシンプルです
話をややこしくします
受入証拠金」という項目が、証券会社の証拠金の画面に出てくると思います
オプションを買うと プレミアム分この金額が減ります
逆に、オプションを売るとプレミアム分この金額が増えます
売りも買いもプレミアム分の増減です
※証拠金余力との違いに注意:オプション売りがある場合が異なります
  ポジションが売りオプションだけなら、
  「証拠金余力」=「受入証拠金」 -「SPAN証拠金×100%}
  ポジションが買いだけなら
  「証拠金余力」= 「受入証拠金」
ちなみに、先物の場合は新規建てでは変化しませんが、大引け後の値洗いに応じて増減します
ここで言いたいのは、こういう混乱をさそう表現の証拠金が、証券会社の口座画面にあらわれるということです。
受入証拠金は、証拠金余力とは違う意味をもつのですが、
 受入証拠金+買いオプションの総額ー売りオプションの総額= 全決済時の価格
になります。つまり、下線部の増減が損益の増減をあらわしています(わかりづらいね・・・)

実際に取引に使える証拠金は「証拠金余力」ですので、混乱しないようにしましょう
詳しくは、証券会社のマニュアルなどに載っているとおもいます
ちなみに、
証拠金余力は、大引け後に再計算されます。当然余力が変化します。

複数のオプション銘柄を混在させると、話はややこしくなります

複数の銘柄が混在する時の証拠金の計算

証拠金は、
(SPAN証拠金額×100%)-ネット・オプション価値の総額
となります
実は、さきほど説明したオプション買いの証拠金もオプション売りの証拠金もこの式だけで説明できます。オプション買いの場合は、この値がプラスになるので、見かけ上の証拠金不要となるわけです

式には2つの項目があります
説明が簡単な方から説明します

ネット・オプション価値の総額
一言でいうと、オプション買いのプレミアムの総額から、オプション売りの総額をひいたものです
参考までにSBI証券のサイトの説明のリンクを貼ります
SBIは、場中の現在値を使って計算してるようです
カブドットコムもリアルタイムスパンを使っていると書いているので、同様でしょう
その他多くの証券会社は、前日大引け後の清算値を使っていると思われます

さて、いよいよ説明するのが難題中の難題
SPAN証拠金額 って、何だい?
失礼(汗)

このSPAN証拠金額とセットになってくる言葉に、プライス・スキャンレンジがあります。
先物ラージ1枚あたりの証拠金を、プライス・スキャンレンジ×(倍率)としている証券会社が多数なので、SPAN証拠金=プライス・スキャンレンジだと思っている方も多いのではないでしょうか?
違います。
SPAN証拠金額を、算出するのに必要なパラメータを、SPANパラメータといいます
そのパラメータには、
 プライス・スキャンレンジ
 ボラティリティースキャンレンジ
 1ネットあたりの商品内スプレッド割増額、
 売りオプション1単位あたりの最低証拠金額があります。
特に、影響が大きいのが、4つのうち、前の2つです

プライス・スキャンレンジは、過去約1年間の原資産の変動率をもとに最大値に近いものが設定されているようです
※以前は大証のサイトに正確な計算方法がのっていたのですが、日本証券クリアリング機構のサイトではきちんと確認できなません
ボラティリティー・スキャンレンジも、同様に過去1年のIVの変動の最大値に近いものが設定されているようです
(ちなみに、2019年11月12日現在、プライススキャンレンジ72万円、ボラティリティースキャンレンジ5.90%です)

SPAN証拠金額とは?

SPAN証拠金額をすごく大雑把に説明します
保有するオプションと先物をすべて合わせたポジションを、
日経平均が、現在の値からにプライス・スキャンレンジの範囲で変動した際の、
最大損失を計算します

その結果がSPAN証拠金額になります

最大損失の計算の際には、IVがボラリティー・スキャンレンジ分動いた時の影響を加味します
その範囲内でありとあらゆる想定をするのは大変なので、14種類の場合(シナリオと言ってます)を計算して、その最大値をとります

上記の説明は大きな抜けがあります。シナリオが2つ抜けています
・日経平均が、プライス・スキャンレンジの3倍下落したシナリオを追加します
・同様に、3倍上昇したシナリオを追加します
(この、追加のシナリオについては、その30%の金額を損失として、上記14のシナリオと比較します)
※SPANの正式な説明では、16のシナリオと言っています、14のシナリオと追加の2つのシナリオに分けて説明したのは、その方がわかりやすと考えたからです

追加シナリオは、ATMから遠く離れた権利行使価格のプットやコールを売っている時に、大きく効きます
日経平均が大きく動くと、証拠金が雪だるま式に増えていく一因です

イメージ図を示します
「その4」で使った、プット単純売りとスプレッド比較図を使って説明します
この図の場合では、同じぐらいの証拠金になりそうですが、ボラティリティスキャンレンジの影響を加味すると、スプレッドの証拠金の方が低いでしょう。
プライススキャンレンジが広がると、プット単純売りの証拠金額が加速度的に増えていくイメージもご確認ください

ここまでの説明は、 (SPAN証拠金額×100%)-ネット・オプション価値の総額 の場合で説明しました。
証券会社が設定する証拠金は、このSPAN証拠金額の掛け率を変えている場合があるので、ご注意ください

まとめにかえて
損益曲線を見れば、SPAN証拠金額の概算ができます
証拠金以上のリスクもわかります

損益曲線を描けば、自分でSPAN証拠金額の概算値を出すことも可能です
大暴落などで、SPAN証拠金額が急に増えた時の影響も概算できます
最大損失がどうなるか、証拠金が増えてどうなるか、を事前に把握していることは安心してトレードをすることにつながります
安心してトレードできることも、オプションを利用したトレードの特徴です

オプション取引とは? 目次
全ページの一覧を表示
オプション取引とは? 日本一わかりやすい解説 はじめに
その1 オプションって何?
その2 オプションの価格(プレミアム)
その3 損益曲線を描く
その4 損益曲線をデザインする
その5 取引に必要な証拠金
オプション取引とは? 日本一わかりやすい解説 あとがき
オプション取引とは? お役たちリンク集

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